第19回 関西部会講演会 (2023/12/12) 終了の挨拶/会員限定コンテンツの公開のお知らせ

第19回関西部会講演会は、2023年12月12日(火)に、AP大阪茶屋町 Gルームを講演会場として、Teamsによる遠隔視聴を併用したハイブリッド形式で開催させて頂き、多くの方にご参加を頂き、盛況に開催でき無事終了致しました。心より御礼申し上げます。

今回は、ロボットの実用化に向けた研究内容や自動運転の実現状況、また、自動車センサの現状と今後など幅広い内容について、最新の研究、開発動向を、大学で研究をされておられる先生と企業でビジネス展開されておられる方にご講演をして頂きました。

最初に講演1として、
中京大学 大学院 工学研究科 教授 工学研究科長 ヒューマン・ロボティクス研究センター長 橋本 学 様に【ロボット実用化に向けた画像認識・AI研究の最新事例と展望】のテーマでご講演をして頂きました。
最初に画像認識技術について、対象物を正しく、高精度で、短時間で検出したいという基本目的の実現のために、ロバスト性(照明変動、遮蔽、変形、見えの変化、類似物の混在など)や計算リソース(GPUレス、事前学習不要、組込みCPU等々)の多種多様な現場の要求や制約課題を解決するための画素選択方法に関する機械学習も活用した研究内容をシミュレーション画像も交えてご紹介頂き、その成果をロボットに適用していくためのロボットタスク(把持して置くや把持して操作する)に必要な3つの基本課題(どこにある?(位置と姿勢を知る)、なにがある?(モノの名前を知る)、どう動く?(動作を作る))を解決するための研究内容についてもご紹介して頂いた。次に自律ロボットの実現を目指して “機能” を利用した動作を生成する研究内容について、「お茶をたてる」という動作に関して、ロボットではその目的を実現するための動作を機能から動作に生成していく必要があり、その研究内容やロボット自らが自らの動作に自動生成していく研究内容についてもご紹介して頂いた。また最近話題のGPTを活用した人の言葉を音声認識し、ロボットの動作に展開・生成していく研究について、最後に産官学連携についてもご紹介頂き、幅広い内容をご講演して頂きました。

次に講演2として、
ソニーグループ株式会社 事業開発部門 SCプロジェクト チーフビジネスプロデューサー 江里口 真朗 様に【自動運転が実現した後の世界を考える】のテーマでご講演をして頂きました。
最初にソニーグループのご紹介をして頂き、大変革期を迎えているモビリティーへの貢献実現にむけて、ソニーグループが「スマホに乗るのだ」をコンセプトにして、ヤマハとヤマハのゴルフカート(G30Es Li)をベース車にして共同開発されたSC-1についてご紹介頂いた。SC-1は、超高感度ナイトビジョンのステレオカメラや4Kディスプレイ、顔/人物認識用カメラ、5G/LTE/Wifi機能などを装備し、360度全ての方向にフォーカスが合わされた映像を車内のディスプレイに映し出し、車両周囲の環境を一度に把握でき、ソニーが開発した融合現実感(Mixed Reality)技術により、乗員がディスプレイで見られる周囲の環境を捉えた映像に様々なCGを重畳することで、これまでの自動車やカートでは景色を見るだけであった車窓がエンタテインメント空間となり、移動自体をより楽しめる。また、コンテンツ配信サーバーを接続して、顔、人物の特徴等で、その人物の属性を識別して、その人に合ったコンテンツを推奨して配信でき、サイネージシステムにより周りにニュースや広告を表示できるというまさにエンタテインメント車を実現されておられる内容をご紹介して頂いた。SC-1は、沖縄で運用中であり、上野恩賜公園では走行イベントを実施されている。関西圏での展開も検討中で、SC-1におけるコラボレーションもお声掛け頂き、幅広い内容をご講演して頂きました。

次に講演3として、
株式会社ミライズテクノロジーズ センサ開発部 部長 和戸 弘幸 様に【自動車用センサの進化と今後の動向】のテーマでご講演をして頂きました。
最初に株式会社ミライズテクノロジーズのご紹介をして頂き、自動車の電子化に伴い飛躍的に増加している車載用半導体の歴史や車載用半導体に要求される耐環境性(耐熱性、耐湿性、耐振性)や自己診断機能、搭載性、低コストであることなどを、また車に100個以上が搭載されている車載用半導体センサについては、代表的な圧力センサ、加速度センサ、磁気センサの個々のキー技術や仕組みなどを紹介頂いた。次に、今後の車載半導体センサの開発方向性として、単純な物理量検出だけでなく、バッテリ劣化や寿命を計測するセンサ、路面状態を検知できるタイヤマウントセンサ、ドライバ状態を監視するヒトセンシングなどのセンサが期待されていることや、交通事故低減への安全システムのセンシング技術や、高度運転支援用の周辺監視センサについては、ドライバがいつも正常な運転状態を保てるように、危険を認知しやすくし、事故が避けられない場合には介入制御するためのミリ波レーダ、ライダー、カメラ、超音波センサの情報安全系の4センサについて、ご紹介を頂いた。最後に自動運転用センサの取り組みについて、高度運転支援/自動運転開発の全体像や自動運転に必要なセンシング技術の課題やその解決に向けての取組み内容など、幅広い内容をご講演して頂きました。

また、最初に関西部会長の西村から講演会開催の挨拶をさせて頂き、最後に関西部会の清水幹事から講演会閉会の挨拶にて締めくくり、盛大に開催を終えることができました。

講演会後に開催しました交流会では、江里口様は急用でご参加頂けませんでしたが、橋本様、和戸様にご参加頂き、ご講演者の方々とのお話や、参加された皆さん相互でのお話が進み、楽しく有意義な情報交換・交流の場として開催することができました。

講演会、交流会の開催に際しましては多くの方々のご協力を得て開催させて頂くことができました。真に有難うございました。深く御礼申し上げます。
引き続きM2M/IoTに関する最新事例・技術研究を進めて応用ビジネスの発掘・展開に繋がり、関西地区の活性化に少しでも貢献できるように活動を進めさせて頂きますので、ご協力・ご支援の程、よろしくお願い申し上げます。

講演会の写真はこちらをご覧ください

 

<会員様向け>
 なお、会員限定コンテンツとして、本講演会の講演資料については、許可をいただいた範囲内で、M2M・IoT研究会のホームページにアップロードし、会員の皆様に公開いたしましたので活用ください。
会員の方は、右サイドの会員専用からログインして、会員限定ページから閲覧/ダウンロードしてください。
ユーザIDとパスワードは、会員の皆様に別途メールでご案内している通りです。ユーザIDとパスワードが不明の会員の方は事務局までお問い合わせください。
コンテンツの再配布はご遠慮ください。また、内容を利用される場合は、著作権にご注意ください。

2023年12月25日 NPO法人 M2M・IoT研究会 関西部会長 西村 雄二