【終了】2016年7月9日(土) /M2M/IoT利活用人材育成シンポジウム

東京大学先端科学技術研究センター森川博之研究室
特定非営利活動法人M2M研究会 共催

M2M/IoT利活用人材育成シンポジウム
のご案内

-特別講演とM2M/IoT活用学生実験・応用研究の実践-

1.開催案内

1)日 時

2016年7月9日(土) 13:00~18:10 (受付開始:12:30)
交流会18:20~19:20

2)会 場

東京大学 先端科学技術研究センター
講演及び学生概要説明セッション:ENEOSホール
デモンストレーション・セッション:3号館M2階
住所:〒153-8904 東京都目黒区駒場4-6-1
最寄駅(正門まで):小田急線・東北沢駅から徒歩8分
小田急線/東京メトロ千代田線・代々木上原駅より徒歩12分
京王井の頭線・池ノ上駅から徒歩12分
京王井の頭線・駒場東大前駅西口駅から徒歩17分
※当日は正門からのみ入場可能ですのでご注意ください
連絡先:東京大学先端科学技術研究センター 森川博之研究室
・安田 晃久(博士課程3年03-5452-5368)
・川北 敦子(学術支援専門職員03-5452-5307)

3) 参加費

シンポジウム参加費:M2M研究会会員および賛助会員:1,000円
非会員2,000円、学生無料
交流会参加費:3,000円(学生無料)

4) 参加申し込み

下記のページからお申込みください.

5) 主 催

【共催】東京大学先端科学技術研究センター森川博之研究室
【共催】特定非営利活動法人M2M研究会
【後援】公益社団法人 日本工学教育協会

2.プログラム

【2号館5階2501教室】

Ⅰ.挨拶・・・・・13:00~13:15

(1) 開催校挨拶
東京大学先端科学技術研究センター教授 森川 博之先生
(2) M2M研究会挨拶
理事長小泉 寿男
理事・教育専門部会長市村 洋

Ⅱ.特別講演1・・・・・13:15~14:05

「ビジネスや社会の革新をリードするM2M/IoT活用戦略」
情報未来創研 代表
東京大学先端科学技術研究センター 特任教授
稲田 修一先生
【講演概要】M2M/IoT活用戦略の重要性が高まっている.この巧拙がビジネスデザインの進化,バリューチェーン全体のマネジメント,PDCAのスピードアップと精密化などビジネスや社会革新の成否に直結するからである.残念ながらわが国はこの流れに乗り遅れている.その理由の一つは,技術を起点に価値創造を考えるからである.発想を転換し,ビジネスや社会の課題発見とその解決を価値創造に結びつけることが必要である.講演では,M2M/IoT活用によるビジネス革新の事例,この推進に必要な考え方や体制など,ビジネスや社会の革新をリードするM2M/IoT活用戦略について議論したいと考える.

 

Ⅲ.特別講演2・・・・・14:05~14:55

「建築空間と情報」
東京電機大学未来科学部建築学科准教授
博士(学術)・一級建築士
渡邊 朗子先生
【講演概要】近年,ロボット技術やIoTなど情報を主軸とした技術が目覚しい発展を遂げ,生活空間に装着され始めている.今後こうした技術はそれらが連携して,これまでにない建築空間を成立させる可能性がある.それは,どのような未来の生活空間を志向し,どのような生活空間のデザインを導くのであろうか.講演では,建築空間と情報について,特に4つの観点:情報活動,環境情報,生体情報,建築の生成・生産に着目し,具体的な事例を紹介する.例えば,環境情報の建築への応用では,ロボットと共生する建築空間デザインについて,生体情報の建築への応用では脳科学の手法を応用する研究事例などを取り上げ解説しながら,今後の建築空間と情報が切り拓く未来の可能性について探求する.

 

◆◆◆休憩(10分)◆◆◆

Ⅳ.M2M研究会教育専門部会報告・・・・・15:05~15:20

「M2M/IoTプロトタイプ・システムの拡張と試行状況」
M2M研究会教育専門部会部会長補佐
大江 信宏
【講演概要】M2M/IoTシステムの普及を促すため,いろいろな分野の学生を対象にM2M/IoTプロトタイプ製作を体験する教育システムを開発している.第一版はすでに公開・適用済みであるが,より多くの学生にM2M/IoTの理解とアイデアの創出を狙うため,遠隔支援方式とAI・機械学習を盛込んだM2M/IoTプロトタイプ・システムを開発中である.遠隔支援方式は,LMS(Learning Management System)ベースにものづくりを伴う学習支援を遠隔からできるようにし,AI・機械学習はフリーソフトをベースに,センサ等から収集したビッグデータを元にAIを適用する手順を示す.本報告では,具体的な適用例も示しながら,今後の課題を含め報告する.

 

Ⅴ.学生研究発表会 その1(概要説明)・・・・・15:20~17:00

[課題番号:2016-01]
モンゴル高専との学生共同研究によるM2M技術を活用した
水耕栽培システムの構築
サレジオ高専伊藤光雅物理研究室
電気工学科5年
○上脇 優人、有福 修
モンゴル高専建設工学科2年
オユカエレデネ
【概要】モンゴル国では,安定的に野菜を栽培することが困難である.そのため,安定的に野菜を栽培する方法として水耕栽培に着目した.本研究では,M2M技術を用いた遠隔監視可能な水耕栽培機を製作した.本水耕栽培機には,XBee及びArduinoを用いたM2M技術を組み込んだ.そのため,本水耕栽培機では温湿度センサ及びカラーセンサによる栽培環境の計測と共に,PCでの遠隔監視及びLEDの遠隔操作が可能である.また,本水耕栽培機はPCをインターネットに接続することによりクラウドへのデータ保存を可能とした.本発表では,製作したM2M技術を用いた遠隔監視可能な水耕栽培機について製作過程・計測結果・今後の展望について報告する.

 

[課題番号:2016-02]
鳥獣害防止のためのM2Mシステム
東京電機大学 神戸英利研究室
大学院理工学研究科情報学専攻修士1年
山元 久光
【概要】野生鳥獣の生息数の増大とともに分布域が拡大しており,その結果として農作物被害が増大している.対策として侵入防止柵や電気 網,柵の設置などが行われているが,効果的に被害を抑えることが出来ていないのが現状である.近年,ドローンと呼ばれる UAV(Unmanned Aerial Vehicle)が個人での入手が容易になり,飛行の安定性も従来のヘリコプター型や飛行機型に比べ高いことから開発が進められるようになった.そこで本 研究では,電気網・柵の設置が困難である果樹などの農作物を鳥獣害から守るために,マルチコプター型UAVを用いて自動的に鳥獣を避けること を目的としたシステムを提案し,実装する.

 

[課題番号:2016-03]
低コストセンサーネットワークの構築による農業活性化に関する検討
サレジオ高専 吉野純一研究室
機械電子工学科5年
安永 寿
【概要】近年の日本は,農業従事者の高齢化が深刻化している.これに伴い技術を次の世代に伝承させることが現在の重要な課題である.現在の農業は「見える化」させる様々な技術伝承,分析方法が検討され,一例としてビックデータ化があげられる.しかし小規模農家では,M2M化が浸透していない.その原因にシステム導入費が高コストであることやデータの使用方法が認知されていないことがあげられる.ここで,農業支援システムを導入してもらうため,ドローンとBLEを用いてセンサーネットワーク構築を低コスト化させる方法を提案する.このシステムは規模に関係なくシステムを用いることができるため,見える化が促進すると考えられる.

 

[課題番号:2016-04]
大規模水稲栽培データに基づいたリアルタイムリコメンドシステムの提案
東京大学 森川博之研究室
工学系研究科電気系工学専攻融合情報学コース修士2年
李 丞鎬
【概要】稲作作業のノウハウは属人性が高く,農業従事者の離農時にその従事者の稲作作業のノウハウは喪失されてしまう.長年続いている営農従事者の高齢化により,この問題はさらに深刻化している.稲作作業のノウハウを分析し,水稲品質の決定要因を究明しようとするアプローチは多数あるが,高品質データ蓄積の難点及びコストの問題が挙げられている.本研究では,JAが米を買い取る際生成される“記録簿”に着目し,個人化された決定要因解析が期待できる低コストのモデルを取り上げる.さらに,モデルの階層型化を介したリアルタイムリコメンドの機構を提案し,交差検証を持ってその効果を確認する.

 

[課題番号:2016-05]
M2Mによるマイクロファクトリの制御システム化
東京電機大学 神戸英利研究室
大学院理工学研究科情報学専攻修士1年
伊丹 智樹
【概要】近年,FabLabやindustrie 4.0に見られるスマートファクトリをはじめとしたマイクロファクトリの形態が多様化し続けている.しかしながら,マイクロファクトリの運営および管理は 発展途上であるため,今後のIoT化に対応すべく運用管理システムの開発と人材の育成が必要である.本研究では,安全利用システムと機器の利 用状況管理および在室状況管理システムによって構成された,マイクロファクトリの運営における統合システムを提案し,実装,評価を行う.本システムによってマイクロファクトリの安全性,管理性,利便性の向上につき試行,検証する.

 

[課題番号:2016-06]
体温を利用した温度差発電を電源とする
バイタルデータ取得システムの検討
芝浦工業大学 井上雅裕研究室
大学院理工学研究科システム理工学専攻修士1年
小池 友亮
【概要】近年,健康管理やスポーツなどの分野でM2Mの技術が注目されており,今後使用されるセンサや無線デバイスの数は膨大になると予想されている.そこで問題となるのが機器の電源管理である.我々は,温度差が有る限り発電可能な温度差発電に着目し,センサや無線デバイスのバッテリーレス化を考えた.そして運動中のバイタルデータ取得システムの電源として,人の体温と外気温の温度差を利用した温度差発電の活用を検討し,ランニング時の安定した発電の可能性を示した.本研究は人体に適した温度差発電として熱回路網による熱設計と省電力な電源供給回路の設計を実施し,バイタルデータ取得システムの電源として温度差発電の有効性を検討する.

 

[課題番号:2016-07]
見回し遅延による追従特性への影響
東京電機大学 汐月哲夫研究室
大学院未来科学研究科ロボット・メカトロニクス学専攻修士
○北川 裕也(2年)、山本 皓也(2年)、中島 悟(1年)
【概要】本研究では, 操作者の顔の向きに応じた遠隔地の映像を表示するシステムについて,操作者と遠隔地までの通信において発生する遅延が, このシステムの操作性にどのような影響を与えるかを検証した.ヒューマンオペレータの制御特性を解析するために,対象物を画面内に捉え続けるという動作から,McRuerのクロスオーバーモデルへの同定を行った.同定結果から遅延による操作者の操作性への影響を,クロスオーバー周波数及びむだ時間の変化から評価した.その結果,人は遅延の増大に対しても一定の追従性能を保とうとするという研究結果が得られた.

 

[課題番号:2016-08]
独立型PVシステムにおける低日射時の電力回収に関する一検討
サレジオ高専 米盛弘信研究室
機械電子工学科5年
立松 龍一
【概要】近年,太陽光発電が普及しており,最大電力追従制御装置(MPPT)によって効率よく発電を行っている.しかし,曇りや雨天時等の日射量が不足しているときは,MPPTの動作電圧に至らず,電力回収が行えない場合がある.そこで,MPPTが動作しない低日射時の発電電力を並列接続した電気二重層コンデンサ(EDLC)へ充電した後,直列接続へ切り替えを行い,負荷電圧を確保する電力回収方法を考案した.その際,EDLCの過充電やアンバランス放電等を行うことは好ましくないので,M2M技術を活用して監視する必要がある.本発表では,従来法で電力回収ができない低日射時にEDLCを用いて電力回収ができることを示し,各種監視システムについて提案を行う.

 

[課題番号:2016-09]
AR画像への接触判定を用いたUIの開発
東京電機大学 神戸英利研究室
大学院理工学研究科情報学専攻修士1年
藤原 健弘
【概要】新たなウェアラブルコンピュータとしてHMD(Head Mounted Display)が注目を集めている. HMDは操作を行う際に,付属のリモコンや音声,ハンドジェスチャーを用いている.しかしリモコンでの操作は手の動きを必要とし他の作業の妨げになる.音 声による操作はプライバシーの問題が懸念され,ジェスチャーを用いた操作は複雑なジェスチャー認識の困難さによって操作パターンが限られる.そこで本研究では操作機器によって生じる問題を解決するため,手の認識に加えてステレオカメラから操作に用いる手の距離を求め,表示されてい るAR画像に対して接触しているか否かを判定する.本技術によって特殊な操作機器を用いることなく,操作方法と操作性の向上を目指す.

 

[課題番号:2016-10]
IoTデバイス向けLED-スマートフォン間通信
東京大学 森川博之研究室
工学系研究科電気系工学専攻融合情報学コース修士2年
恋塚 葵
【概要】ユーザ数の数十から数百倍のセンサデバイスが周囲にあふれるIoT時代においては,「目の前にあるセンサからの円滑なデータ取得」が鍵となる.これに向け,最も身近なディスプレイであるスマートフォンと,情報の発信を視覚的に確認可能かつ小型・低コストであるLEDとを利用したIoTデバイス向けLED-スマートフォン間通信の研究を進めている.本研究では,カメラフレームごとに存在する記録不可能なギャップ時間のパケットロス対策として,送信における総パケット数を適切に設定することにより,1回の再送によって,全てのパケットが記録可能範囲に含められることに着目した信頼性の高い通信方式を示す.

 

[課題番号:2016-11]
GPGPUによる車両周辺状況認知システム
東京電機大学 神戸英利研究室
大学院理工学研究科情報学専攻修士1年
伊木 及
【概要】車載機器の電子制御化に伴い,カメラ,センサを用いた応用技術の研究が行われている.とりわけ人間の操作を必要とせずに走行で きる完全自動運転技術が注目を集めている.自動運転では,カメラ,レーザレーダなど複数のセンサのデータから,既存のアルゴリズムを用いた解 析によって周辺環境の認知を行うが,複雑な画像処理や膨大な量のデータをリアルタイムで処理するため,処理能力の高い計算装置,記憶容量の大 きいメモリが必要となる.本研究では,膨大な行列計算を同時に処理の高速化を目指し,並列処理を行うことのできるGPUを物体抽出アルゴリズ ムに導入し,既存のマイコンでの処理と比較した場合どのような優位性を創出できるか検討を行う.

 

[課題番号:2016-12]
Bluetooth通信を用いた体導音測定システム
宇部高専 江原史朗研究室
専攻科生産システム工学専攻1年
西村 剣矢
【概要】現在,一人暮らしをする高齢者の数は年々増加しており,高齢者の孤独死が社会問題となっている.そのためプライバシーに配慮したモニタリングシステムが求められている.本研究では,体導音を測定して,健康状態を測定・管理するシステムの開発を行う.人の体内や体表で引き起こされた振動をセンサで検出する音を体導音と呼ぶ.その体導音を検出する体導音センサを用いて,脈拍や呼吸音の測定を行い,無線を介して,PCに測定結果を送信することで,高齢者の異常を通知するシステムを開発する.マイコンを用いて測定システムを実際に作成し,体導音の測定,測定データの通信が実現できた.

 

[課題番号:2016-13]
個人の知的活動を支援する環境デザインに関する研究
-ブース空間における大きさと色彩環境が脳活動に与える影響-
東京電機大学 渡邊朗子研究室
大学院未来科学研究科建築学専攻修士1年
馬場 哲平
【概要】本研究では,個人の情報処理活動を支援する環境とはどのようなデザインが好ましいのか,ブース空間を構成する環境の色彩と大きさについて考察することを目的とした.本実験では,知的活動の階層モデルから情報処理活動に着目し,脳血流計測と印象評価アンケート調査を行った.結果,以下の4つのことが分かった.①本実験の2種類のブースでは,情報処理の分野において,ブースの大きさが大きい方が,演算課題の正答率が向上することがわかった.②色彩とブースの大きさの組み合わせにより情報処理活動に影響を及ぼす可能性があることがわかった.③ブースの大きさが知的活動前後の生理状態に影響を及ぼす可能性があることがわかった.④脳活動の活性化は,正答率と反応速度に影響を与えることがわかった.

 

[課題番号:2016-14]
飲み残し飲み間違いを”ゼロ”にする服薬管理システム
東海大学 撫中達司研究室
情報通信学部組込みソフトウエア工学科3年
板垣 弦矢
【概要】薬の飲み残しや飲み間違いなどが原因で発生する残薬は,処方された薬全体の24%にあたり,年間475億円にものぼる.この背景には 高齢者が処方された多くの薬を管理できていなという問題があり,また根本的な問題として不必要なほどの薬を処方する医師と,薬をたくさん飲むことで安心する高齢者が多いことが指摘されている.本システムはこの問題に着目し,薬の出入りを処方薬自動排出デバイスとクラウドで自動管理することにより,医師による必要以上の処方をなくし,服薬者の医療費を削減することを目的としたものである.

 

[課題番号:2016-15]
UHF帯RFIDを用いた視覚障がい者向けナビシステムの開発と実証実験
東京高専 山下晃弘研究室
情報工学科5年
上川畑 槙吾
【概要】視覚障がい者にとって,訪問経験のない場所での移動は極めて困難である.一般的には,スマートフォンやタブレット端末の普及によって,ナビゲーションアプリの利用が普及しているものの,それらは目が見えることが前提で設計されているため,視覚障がい者が利用するのは難しい.そこで,視覚障がい者が利用することを前提に,UHF帯RFID技術を利用してピンポイントな案内が可能なナビゲーションシステムを開発した.これまでに京王線北野駅前ロータリの点字ブロック下にRFIDタグを埋め込んで実証実験を重ねてきた他,屋内展示イベントでの実証実験も行ってきた.本研究会では,開発したシステムと基礎技術について紹介するとともに,これまで行ってきた実証実験の成果について報告する.

 

[課題番号:2016-16]
M2Mプラットフォームを用いセンサおよび分析手法の拡張を容易にした
認知症早期発見システム
芝浦工業大学 井上雅裕研究室
大学院理工学研究科システム理工学専攻修士1年
○君野 敬祐、石井 瞭
【概要】認知症は早期発見により進行遅延が可能なため早期発見が非常に重要である.また認知症の典型的な行動は複数あり,症状の現れ方には個人差がある.先行研究では独居高齢者の住宅内に複数のセンサを設置することで認知症における典型的な行動を取得し,認知症の判別を行った.しかし,想定した症状以外は判別することができない.より多くの人物に対して判別を行うためには検知する行動や属性を追加する必要があるが,現状追加が困難である.本研究ではデバイス・ゲートウェイ・クラウドを構成要素としたプラットフォームにより,取得する行動や属性,分析方法の追加・変更を容易にした.これにより多くの認知症の人物の判別することが容易となる.

 

[課題番号:2016-17]
独居高齢者見守りシステムの開発とその社会実装による評価
東京高専 青木宏之研究室
電子工学科5年
安藤 亮介
【概要】人が普通に生活することにより,その周囲で動くモノ(例えば,リビングのドアや椅子,引き出し,冷蔵庫の扉,玄関ドアなど)の動きを加速度センサーにより検知し,それら情報をネットワーク上のサーバーに蓄積する.そして,どの場所がどの時間帯にどのくらいの頻度で動いたかを解析することにより,人の生活パターンを推測し,その様子からゆるやかな見守りを行なうシステムを開発した.そして,実際に数人の高齢者を対象として本システムを数ヶ月単位で社会実装(運用)を行い,データの取得と解析を行なった.その結果,4~5個のセンサーのみの設置で,日常生活のパターンや季節による生活パターンの変動等がわかりやすく可視化できることがわかった.

 

[課題番号:2016-18]
知能化による高齢者の見守り環境システムについての研究
東京電機大学 渡邊朗子研究室
大学院未来科学研究科建築学専攻修士1年
加藤 紘也
【概要】我が国は高齢化により,独居老人の増加が進み,高齢者の孤独死が増加することが予測される.さらに,少子化によって介護労働者が減る傾向にあることも懸念されている.そのため介護労働者の負担は増えていくことも予測される.一方,我が国の情報端末や介護補助ロボットなどは進化しており,こうした問題を解決するために住居空間にも導入されることが期待されている.本研究では,最近普及されつつあるタブレット端末を用いた空間知能化による見守り環境システムを導入するために必要な環境条件を明らかにすることを目的とする.今回の実験では,空間知能化システムのセンサー,タブレットの機能,実験空間に関して実験を行い,結果を分析する.

 

[課題番号:2016-19]
文系向けM2Mプロトタイピング実習を取り入れた授業を受講して
こども教育宝仙大学 石原正仁ゼミ
こども教育学部幼児教育学科3年
春日井 あゆみ
【概要】2年度目となる,保育者養成校の選択授業で文系向けM2Mプロトタイピング実習カリキュラムを取り入れた授業を受講した体験について発表する.授業の状況や受けた印象,M2Mプロトタイピング実習以外の授業内容との関連などを示すことで,カリキュラム開発や授業への適用の参考となることを意図する.

 

[課題番号:2016-20]
高齢者と子どもを対象とした会話型ロボットへの能動的な操作を
組み入れたレクリエーションの実施
創価女子短期大学 亀田多江ゼミ
現代ビジネス学科2年
竹内 弘美
【概要】本研究室では,高齢者支援・幼児教育支援にNEC製のコミュニケーションロボットPaPeRoを活用する研究を行ってきた.これまで,高齢者福祉施設や保育施設へ訪問し,あらかじめ全ての動作を組み込んだコミュニケーションロボットを用いてレクリエーションをし,高齢者や子どものロボットへの反応の傾向を確認し,ロボットの活用可能性を検討してきた.これに対し,本年度は次のステップとして,施設の現場担当者との意見交換をもとに検討し,「ロボットが動く仕組みの理解と,自ら能動的にロボットを操作する経験」をレクリエーションに取り入れることを試みた.本発表では,その実施状況を報告する.

 

[課題番号:2016-21]
卒研導入を目的としたM2M/IoT実習会の実施と成果
芝浦工業大学 中島毅研究室
工学部情報工学科4年
○橘 俊行、山崎 啓佑
【概要】研究室配属の3年生を対象に,卒研に向けた導入を目的として,M2M/IoT実習会を実施した.実習会の内容は,集合形式全5回の講義と演習をベースに,M2M研究会が提供する2種類のプロトタイプ組立及びプログラミングを,学生独習と講師とのメールによるQ&Aにより,実施していくものである.本発表にて,実習会実施の経緯,実施内容,及び成果と課題について報告する.

 

[課題番号:2016-22]
ボロノイ図法を用いた局所的経路生成手法の一提案
東京電機大学 神戸英利研究室
大学院理工学研究科情報学専攻修士1年
野口 智恵美
【概要】近年,自動車の完全自動化に向けた動きが活発化してきており,一部の自動運転車両は公道での走行実験を開始している.これまで 自律走行車両の経路生成においては,自動車やロボットの分野で様々な方法が提案されている.しかし,実時間処理の観点から,ロボット分野で用 いられてきた手法は自動車の分野では用いられることが少なかった.しかしながら,計算機性能の向上や小型軽量化,CPU以外での処理により計 算量の問題は改善が見込まれる.本研究では,大域的な経路生成は出来ている状況下で,一般道を想定した局所的な経路生成の最適化を目指す.具 体的には,ロボット分野で用いられてきた手法であるボロノイ図法を用いて経路生成を行う.

 

[課題番号:2016-23]
SCADAデータを用いた風車の健全性評価
東京大学 森川博之研究室
先端学際工学専攻博士3年
安田 晃久
【概要】世界における再生可能エネルギ供給量の割合を見た際,最も電力を生産しているものが風力発電である.風力発電は発電コストが低く,エネルギ変換効率が高い事に加え,24時間稼働出来る事から,今後も増加していく事が見込まれている.しかし,風力発電では発電の際に内部機器の摩耗が必ず発生するため,寿命を延長するためのメンテナンス作業を,低コスト且つ最適なタイミングで実行する事が求められている.本稿では,風車に予め備え付けられているSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)のデータを活用した,機械学習による風車の健全性評価を低コストで実現する手法について示す.

 

[課題番号:2016-24]
IoT活用による施設園芸作物の最適生育環境システムの構築
鶴岡高専 佐藤淳研究室
電気電子工学科5年
渡部 諒
【概要】施設園芸作物とは,温室,ビニールハウス,植物工場などで栽培される作物である.天候によらず小さな土地で生産が可能であり,無農薬,新鮮,清潔など高付加価値作物を安定供給できる特徴がある.しかしながら,作物の管理(光熱費等)に必要なコストが膨大になる課題がある.そこで本研究では,作物の成長に必要な温度と光を今回ターゲットして作物の最適生育環境システムをラズベリーパイにより構築し,クラウド環境を利用しデータの収集を行い,収集したデータを基に最適生育環境システムの構築を目指す.その結果,如何に短時間で出荷可能な状態にでき,光熱費等の必要なコストを抑えることができるかを収集したデータから解析を行う.

 

◆◆◆休憩 及び 3号館M201/M202 へ移動(10分間)◆◆◆

 

【3号館M201/M202】

Ⅵ.研究発表会その2 デモンストレーション・セッション
・・・・・17:10~18:10

各ブースにて実機またはパネルを使って23課題のプレゼン,デモ,意見交換を行います.

 

◆◆◆休憩(10分間)◆◆◆

 

交流会(参加企業紹介・パネルを基に自由討議)
・・・・・18:20~19:20

閉会