[BOOK] ウェブ進化 最終形 - 「HTML5」が世界を変える-

現在、W3Cにて勧告を作成中のHTML5のインパクトについて解説した本です。帯には「M2Mに乗り遅れるな!」と大きく書かれており、M2Mに興味のある方は思わず手にとってしまう本です。内容としては、第4章に、M2Mについて取り上げられています。

第4章:日本メーカー復活のカギを握るHTML5 ―「M2M(Machine to Machine)」が成長する

HTML5とM2Mの関係は、セマンティックス性(マシンリーダブル)とWebSocketの2点に尽きるでしょう。

従来のHTMLは、Webページのマークアップランゲージとして、人が読み理解することを想定していましたが、HTML5では、要素や構造の定義を厳密化することにより、マシンが直接理解しやすくなります。これまでも、M2MXMLやoBIX等のM2M用途別のXML規約が提案されてきましたが、HTML5は様々なアプリケーションに共通的に利用できるようになるのでしょうか。

WebSocketは、マークアップランゲージとは直接関係がないのですが、広義のHTML5に含まれます(現在は、HTML5とは独立して仕様策定が進められています)。従来は、Webページを読むことを前提に、Webブラウザがサーバに対してHTMLデータをPullしていましたが、WebSocketでは、サーバからデータをPushすることができます。WebSocketを使うことにより、M2Mでは、サーバ側から機器にコマンドを送信したり、機器間で双方向通信を実現することができるようになります。ただし、WebSocketは、HTTPレベルの通信プロトコルであるため、サーバと機器だけではなく、プロキシサーバやファイアウォール、ロードバランサなどのアプリケーションレベルのプロトコルを扱う機器がWebSocketプロトコルに対応する必要があり、WebSocketが普及するのには時間がかかりそうです。

いずれにしても、HTML5は、M2M技術の共通プラットフォーム化に、大きな影響を与えそうです。

W3Cでは、2014年までにHTML5の正式勧告を目指していますが、Micorsoft IE9を含めて様々なWebブラウザに一部の機能が先行実装されています。